「±1μmの世界」
狭山金型製作所が挑む超精密金型の舞台裏
±1μmがもたらす価値とは?


私たちが日常的に使うスマートフォン、パソコン、医療機器や自動運転システムのセンサー。その中には、髪の毛の太さ(約70μm)の数十分の一という精度で作られた部品が組み込まれています。これらの部品を成形するための“型”が、金型です。
±1μm(マイクロメートル)。
これは1mmの1000分の1の精度であり、人間の目では確認できない微細な世界です。この極限精度は、特に医療用マイクロ部品や精密機構部品において不可欠で、わずかなズレが性能や信頼性の低下に直結します。
狭山金型製作所は、この超精密領域で国内外のメーカーから厚い信頼を得てきました。では、この精度はどのように生み出されているのでしょうか。
高精度を支える3つの要素
1.超精密加工機と環境管理
±1μmの精度を実現するには、加工機の性能だけでなく加工環境の安定が重要です。狭山金型製作所では恒温室で加工を行い、年間を通して±0.5℃以内の温度管理を実施。金属の膨張・収縮や微振動の影響を極限まで抑えています。
2.熟練技術者の感覚と判断
最新設備を導入しても、最終的な品質は人の技術力と判断力にかかっています。切削条件の微調整や磨き工程のわずかな力加減など、経験豊富な技術者が測定データと感覚を組み合わせて最適な仕上がりへ導きます。
3.測定とフィードバックのループ
製作した金型は三次元測定機やレーザー顕微鏡で測定し、結果を次の加工に即反映します。この「測定 → 改善 → 再加工」のループが、製品のバラつきを最小限に抑え、量産時の品質安定を実現しています。
技術ご紹介






マイクロノズル
・内径30μmの極小穴を安定成形可能。
・薬液吐出の均一性を確保し、信頼性を向上。
マイクロ遊星ギア
・直径数mmのギアユニットを安定量産。
・精密機構や小型モジュール製品の省スペース化を実現。
微細流路構造部品
・±1μm精度で複雑な流路形状を成形。
・マイクロ流体デバイスや検査装置に活用可能。
±1μmを追求する理由
1μm単位の精度は一見過剰に思えますが、この精度が量産時の歩留まりや製品性能に直結します。金型精度が高ければ、成形品の寸法バラつきは減り、不良率は低下します。結果として、コスト削減と安定供給が可能となります。
狭山金型製作所の「±1μm精度への挑戦」は、単なる技術自慢ではなく、お客様の製品価値を高め、産業の進化を支える使命です。超精密な金型や成形品に関する課題があれば、ぜひ私たちにご相談ください。