医療機器の小型化を支えるマイクロ成形技術
±1μm精度が生み出す低侵襲デバイスの可能性

医療機器に求められる「小型化」と「高精度」

 近年、医療機器は低侵襲化・高精度化・単回使用化の流れが加速していると感じます。これに伴い、部品は年々小型化し、μm単位の寸法精度と安定量産性が必須条件となりました。
 
例えば、弊社の製品実績では:
・樹脂製注射針(PEEK製):外径Φ0.24mm、内径Φ0.07mm(32G)
・マイクロニードル(PLA製):先端Φ10μm、520本の針がショートなしで成形
・マイクロ流路デバイス(COP製):幅0.1mm、深さ0.15mm、520穴/260パターンの流路
・アブレーションカテーテル部品(PEEK製):Φ1.3mmで貫通孔・ギア形状を高精度再現
 
こうした製品は、わずかな寸法ズレが薬剤投与量の誤差、組み立て不良、臨床リスクに直結します。

狭山金型製作所のマイクロ成形技術の特徴

1.±1μm精度の金型製作
・恒温室管理(±1℃)による熱変形抑制
・加工機+職人の手仕上げで、5μm以下の組み立て精度を実現
・50枚板ピンで累積公差0.002mmを管理
2.フロントローディング体制
・製品設計と金型設計を同時進行
・見積段階から流動解析・DFM提案を実施
・設計変更ゼロに近い立ち上げで開発リードタイム短縮
3.多様な材料対応
・PEEK、COP、LCPなど耐熱・耐薬品性に優れたスーパーエンプラ・エンプラの成形実績多数
・MIM(Metal Injection Molding・金属粉末射出成形)とのハイブリッド金型製作も可能
4.工程管理システム「cycleon(サイクロン)」
・金型1型あたり1,000点以上の部品構成にも対応
・作業負荷と進捗をリアルタイム可視化し、納期遵守率向上

医療業界への貢献

狭山金型製作所のマイクロ成形技術は、以下の分野で貢献しています。
・低侵襲治療:カテーテルの極細化で患者負担を軽減
・診断精度向上:マイクロ流路デバイスにより反応速度と検出精度を向上
・製品コスト削減:高歩留まり・長寿命金型でトータルコスト低減
 
±1μm精度のマイクロ成形技術は、単なる小型化のための技術ではありません。
それは安全性・信頼性・コスト効率を同時に満たす、医療機器開発のカギです。
もし微細・高精度部品の量産課題を抱えているなら、狭山金型製作所の技術がお役に立てます。